電子機器の梱包について

今回は、電子機器の梱包についてのお話です。
当社では長年、電子機器(システム全体や部品類)をお客様に納めさせていただいておりますが、幸いなことに梱包の問題でお客様に届いたときに中の電子機器が壊れてしまっていたという事故は起きておりません。これは、当社の梱包方法が適切だったのが1つの要因だと思います。そこで、当社の梱包方法についてご紹介します。
電子機器の梱包で重要なこと
- 帯電防止策:電子機器には、静電気に非常に弱い半導体チップが多く使われています。輸送時や保管時の静電気対策としては、帯電防止袋を使用します。帯電防止袋は、帯電防止マークシールで封印します。
冬に人が経験する静電気は3000Vから3万Vと言われていますが、半導体チップは、100Vから2000V程度で静電気破壊が起き、劣化や故障の原因になります。見た目では故障しているかどうか判別できません。また静電気で帯電していることは見分けがつきません。したがって、静電気の有無にかかわらず、帯電防止袋等を使い対策を講じることが重要です。特に半導体チップがむき出しになっている電子機器(CPU、Motherboard、Memory、HDD等)では帯電防止袋の使用が必須です。 - 振動対策:電子機器の中でもHDDは特に振動に弱い部品ですので、輸送時の振動を和らげるため、柔らかい梱包材を使用します。また、段ボール箱の内部で部品が動かないようにしっかり固定する必要があります。振動に弱い理由として、HDDはデータを読み書きする極小の磁気ヘッドと、データを記憶しておく円板状のプラッタで構成されており、これらは電源が切れている状態ではほぼ接触してます。磁気ヘッドは電磁石の要領で、プラッタ上にデータを磁気情報として記憶させています。輸送中の振動で磁気ヘッドとプラッタが接触し、こすれ合って、傷つけてしまうとデータの読み書きが出来ずHDDとしての機能を果たせなくなってしまいます。
使用する梱包材
- 帯電防止袋(中の部品を静電気から守ります)
- 帯電防止マークシール
- 段ボール箱(適切な大きさの段ボール箱を使用。重い物には二枚重ねの段ボール箱を使用)
- 帯電防止エアキャップ(重い部品でも振動から守る)
- ミラマット(軽い部品を振動から守る)
- ハイ・タッチ(梱包材を多く詰めなければならないときに使用)
- 紙ロール(軽い荷物用)
これらの梱包材を適材適所で使います。
梱包手順
- 電子機器を帯電防止袋に入れ、帯電防止マークシールで封印します。
- 必要に応じて、帯電防止エアキャップやミラマットを使用します。
- 梱包する電子機器の大きさに合った段ボール箱を使用します。
- 電子機器の大きさ、重さに応じた梱包材を使用します。
輸送中、段ボール箱の中で電子機器が動かないようにすることが重要です。また、外部からの衝撃で外梱包が少しへこんでも、それが中まで影響しないようにすることも重要です。
動作検証が終わったシステムや部品を、お客様先へ安全にお届けするために、梱包は重要な要素の一つです。梱包がしっかりとした業者から購入されることをお勧めします。
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