四半世紀前のコンピューターが今でも現役で活躍する理由

「VAXシリーズ」が今も活躍している場所とは?
「VAX」というコンピューターのシリーズをご存じの方が、どれだけいらっしゃるでしょうか?
1970年代から90年代にかけて、アメリカのDEC(Digital Equipment Corporation)が提供していた「ミニコンピューター(ミニコン)」で、工場や研究室などを中心に幅広く活用されていました。売上台数は約40万台。当時としてはベストセラー商品です。
そんな四半世紀も前に製造されたコンピューターが、今も現役で活躍している―そう聞くと、驚かれる方もいらっしゃるかもしれません。新しい技術が次々と生まれ、変化のスピードが求められる現代社会において、20年以上前に製造されたコンピューターを使っている現場があるのです。
その場所とは、なんと「半導体工場」です。もちろん、すべての半導体工場で使われているわけではありませんが、とはいえ、最先端技術の生産現場で1995年に製造された「VAXstation4000 Model96」というミニコンが、露光装置の制御用マシンとして今も活躍している工場があるのです。
VAXstation4000 Model96のスペックは以下の通りです。
- Processor: NVAX 100MHz
- Memory: 16 - 128MB
- HDD: 1.05GB, 2.1GB
- O/S: VAX/VMS
いま私たちが使っているPCと比べれば相当低いパーフォマンスですが、その当時は最高レベルのコンピューターでした。
製造終了後も使い続けられる理由
スペックからみても、最新のPCを導入したほうが生産効率はアップするのではないか?
そう思われる方もいらっしゃると思います。それでは、なぜ四半世紀も前のコンピューターが、半導体工場でいまだに使い続けられているのでしょうか。
VAXstation4000 Model96は、半導体工場の各種装置と連携しています。人間に例えると、VAXが「脳」で各種装置が「手足」となり、一心同体で製造現場を支えているのです。
その脳だけを最新コンピューターに取り換えると、各種装置も一緒に交換しなければなりません。そうなれば、設備投資額は数億円規模になる工場だってあるのです。
今後もますます伸びると期待されている半導体生産工場であっても、数億円の投資は決して安いものではありません。ならば「使えるところまで使い続けよう」と、経営者が考えるのも理解できます。
しかし、装置の保全担当者は「いつ故障するか」「故障したらどこに修理を頼めばいいのか」と、心の休まる暇がないとお聞きします。
VAXstation4000 Model96を開発したDECは1998年、コンパック(当時)に買収され、今はありません。買収後もVAXシリーズの生産は続いたものの、2000年ごろに生産中止となっています。つまり、メーカーに修理を依頼したり部品を調達したりすることは、不可能なのです。
ただ、世界を見渡せばVAXstation4000 Model96を使っているところはまだまだあります。一世を風靡したVAXシリーズだけあって、中古市場には枯渇せずに流通しているのです。
弊社では、こうした製品でも調達ができる世界規模の協会ASCDI(http://www.ascdi.com/)に加盟しております。取り寄せた製品は自社でしっかり検査し、動作保証をつけたうえでご提供しています。
また、VAX/VMSやTru64(DEC Unix)などの知識を有す経験豊富なエンジニアが社内に在籍していますので、修理やメンテナンスが可能となっています。
VAXstation4000 Model96以外でも、古いコンピューターをお持ちで、買い替えに迷っている方がいらっしゃいましたら、ぜひご相談ください。安心して使い続けられるシステム延命の実現をご提案いたします。
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